ビワの木

もの忘れ外来における神経心理検査では、ときにその人の内面や心理状態を捉えるため、バウムテストという、1本の木を描いてもらう検査を行うことがあります。
皆さん、何の木、ということはなく描いてくださることが多いですが、「スギ」「ケヤキ」「イチョウ」「柿の木」といった特定の木を描かれる方もいらっしゃいます。

天草で育ったという80代のSさん(女性)は、珍しい「ビワの木」を描いてくださいました。
子どもの頃は家のそばにビワだけでなく、「みかん、だいだいなど、果物の木がたくさんあった」そうです。
おてんばだったという子ども時代を振り返り、「ビワなんて、木に登って食べてましたからね」などと、思い出話が止まらない、止まらない。
でも、木を描き始めるとシーンとなって、ものすごい集中力です。
時間をかけて丁寧に、1本の立派なビワの木を完成させました。
最後に地面を描き、「ここは畑」とポツリ。
脳裏には子ども時代に遊びまわった家の庭や畑の映像がくっきりと浮かんでいるかのようでした。
そしてその後はまた、思い出話に花が咲きました。

https://furunavi.jp/discovery/knowledge_food/202104-product-biwa/より

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