小さな大笑い

ある日の昼下がり。
午後の陽光が射しこむ多目的室で、グループ回想法(昔の思い出などを語る高齢者を対象とした心理療法)を行うメンバーが集まって、事前にバイタルを測ったり、ノートへの書き込みを行ったりしているときのこと。

ちょうどそのときにいらしていた3名の方の体温が偶然にも一緒だったので、<あら、今日の体温、みんな一緒だ>と思わず私が言うと、Tさん(70代女性)がすぐに何かつぶやきました。小さな声だったので、<え?何?>と聞き返すと、「みんなで事前に申し合わせたの」とすましてTさん。

私は一瞬考え、<あ!ああ。皆さん事前にね~。あははは。Tさん、冗談言ってたのね~>と笑うと、Tさんも「あははは」。それを聞いていたHさん(80代女性)も、「あはははは、少し遅れて気づいちゃったわね~」。私<ちょっと間が空いちゃいましたね~>。Tさん「あはははは」。3人で大笑い。

そばではMさん(70代女性)と、ボランティアのIさん(70代女性)が血圧を測りながら、そちらも楽しそうに何やらやり取りしています。

3人でこんなふうに至極些細なことで心から大笑いしたのがすごく楽しかったし、初めすましていたTさんの屈託のない笑顔がとても可愛かったのと、Hさんの笑いを解するというか言葉のセンスもとてもいいなと感動した束の間のできごとでした。

“ロボット通り”と私が勝手に心の中で呼んでいる路地。
こちらは親子かな? 暑い中ご苦労さまです。

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